1980年代、防虫剤のCMでありながら社会現象を巻き起こした「タンスにゴン」。
軽快なリズムの「タンスにゴン、タンスにゴン♪」は、誰もが口ずさんだフレーズです。
そして、その中で静かに存在感を放っていたのが女優のもたいまさこさんでした。
「亭主元気で、留守がいい」──時代を映した名コピー
1986年、「タンスにゴン」は流行語大賞(流行語部門)で銅賞を受賞。
このCMで生まれた「亭主元気で、留守がいい」という一言は、
当時の主婦たちの“本音”をユーモアに包んで伝えた名コピーとして知られています。
バブル前夜の日本。夫が仕事に追われ、家庭を支える妻たちのリアルな日常。
そんな時代背景を、もたいまさこさんが穏やかで温かい口調で語る姿が印象的でした。
「亭主元気で、留守がいい」
冗談めかしていながらも、
“お互いに自由を尊重することこそ、良い夫婦関係の秘訣”という
深いメッセージを含んでいたのかもしれません。
「タンスにゴン♪」の声は木野花さん
「タンスにゴン、タンスにゴン♪」とリズミカルに歌っていたのは、
女優の木野花(きのはな)さん。
元気なテンポとユーモラスな演技で、商品の印象を一気に広めました。
そして主婦役として登場するのがもたいまさこさん。
柔らかくも芯のある語り口で、このCMを“防虫剤広告”の域を超えた作品に引き上げています。
実際のCM動画はこちら
下記のYouTube動画では、当時の空気感や映像の色味まで楽しむことができます。
(※YouTube上に一般公開されているCM動画を引用しています)
懐かしいですよね!
シリーズを彩った豪華キャスト
「タンスにゴン」シリーズには、のちに桃井かおるさん・ちあきなおみさん・美川憲一さん・内田裕也さんなどといった個性派の俳優・歌手たちも登場しました。
家庭のリアルを描いた名作広告
それぞれの時代ごとに異なるテーマで、“家庭のリアル”を軽やかに描いたこのCMシリーズ。
夫婦のかたち、家族の関係、女性の生き方など、そのすべてが時代の空気を映し出していました。
世のお父さんたちはどう見ていた?
このCMを、当時の男性たちはどんな気持ちで見ていたのでしょう。
中には「なんてCMだ」と思う人もいたかもしれませんが、「…そうかもしれないなあ」と妙に納得して笑って見ていた人が多かったのではないでしょうか。
「亭主元気で、留守がいい」には、“家族みんなが元気で過ごせれば、それでいい”という
優しさとユーモアが詰まっていると思います。
そんな空気を軽やかに表現したのが、もたいまさこさんの自然な演技でした。
まとめ
「タンスにゴン」は、ただの防虫剤CMではなく、昭和の家庭とユーモア文化を象徴した名作でした。
木野花さんの軽やかなナレーション、もたいまさこさんの穏やかな存在感、そして名コピー「亭主元気で、留守がいい」。
この三つが組み合わさり、今も人々の記憶に残る“時代の記録”となっています。
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